【店主も好きな絵本です】

ある日、だいすきなじいじ（おじいちゃん）が死んじゃった。

いままで近くにいた人が突然いなくなったことに、まだ幼い孫のエリックはピンときません。

お母さんに聞いても
「じいじは天国に行くのよ」

お父さんに聞くと
「土にかえるんだよ」


やっぱり、よくわかりません。

しかし、その夜、じいじがエリックのお部屋にそっと現れました。
あれ？
どうしてここにいるの？死んだのに・・・。

そう・・おばけなのです。
じいじも、なぜここにいるのか覚えていません。
ただひとつわかっていことは、この世にじいじはわすれものを残しているということです。
それは、どんなわすれものなんだろう・・・・。

じいじとエリックは、ふたりで過ごした毎日を思い出します。
楽しかったこと、いたずらしたこと、怒られたこと・・・。
そしてとうとう思い出す、大事な大事な「わすれもの」。
そう、このためにおじいちゃんはおばけになったのです。


「死」がテーマになっているとは感じさせない、ユーモラスで可愛いお話し。
とくに、不本意にもおばけになっちゃった、おじいちゃんの立ち姿がなんとも憎めません。
こどもに、身近な人の死を優しく伝える絵本。
ユーモラスな展開の向こうにある大事なメッセージを、心のどこかに残してもらえればよいですね。